情報との向き合い方とアウトプットに悩む人へおすすめしたい本『必要な情報を手に入れるプロのコツ』

ライターとしてリサーチする時、何に気を付けたらいいんだろう?
クライアントにも読者にも満足してもらえる記事を書くためにはどうしたらいい?

そう悩む人におすすめしたい本が『必要な情報を手に入れるプロのコツ』(喜多あおい著・祥伝社黄金文庫)です。

著者の喜多あおいさんはテレビ番組のリサーチャーでクイズ番組「オールスター感謝祭」や報道番組「NHKスペシャル」などの番組を担当、放送ウーマン賞2014を受賞されています。

情報を扱うプロの心構え、詳しいリサーチのやり方、報告書の書き方などライターにも役立つ内容。情報との向き合い方も参考になるので一読の価値ありです。

必要な情報を手に入れるプロのコツ (祥伝社黄金文庫) | 喜多あおい |本 | 通販 | Amazon

目次

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リサーチのスタートは「クライアントのニーズをつかむこと」

テーマをもらってリサーチを始める前に大事なのはクライアントが情報を何に使うかを知り、さらに集めた情報の最終的な受け手のことを考えることが重要と説きます。

「何に」情報を使うのかが抜けていると失敗します。
筆者はバナナジュースが飲みたくてジューサーを探していたのに、購入したジューサーでは果肉の柔らかいバナナをジュースにできなかったという失敗談を披露しています。ジューサーを買うために口コミを調べ、パンフレットを取り寄せて調べたにも関わらず、バナナジュースが作れるかを確かめずに購入してしまったのが原因でした。

また、自分が調べた情報を使った番組を視聴者がどのように受け取るのか、ある人には面白くても、ある人には不快かもしれない。そんなことを意識しながら情報を扱っているといいます。

クライアントが記事を発注するのには目的があるはずです。その目的は何か。そして自分が書いた記事で傷つく人がいないか。クライアントに迷惑を掛けないためにライターにも必要な視点だと思います。

情報を扱うプロの三原則と5つのソース

「公式、オフィシャルな情報が大事」「オフィシャルではない情報は注意が必要」。これは私も新聞記者時代にも言われたことです。筆者も知っていることでも先入観を持たず、まずは公式な情報に当たる重要性を述べています。プロの原則を心掛け、プロも当たる5つのソースを当たればライターとして記事を書く際の失敗は減らせる気がします。基本は大事。

以下はプロの三原則です。

情報を扱うプロの三原則

  1. 出典明記と原典主義
  2. 複数ソース主義
  3. 情報が与える影響をイメージする

プロが使うのは5つのソース

  1. 書籍 企画の切り口を
  2. 新聞 世間の風を感じる
  3. 雑誌 専門ネタを拾う
  4. インターネット 
  5. 対人取材 

プロも使う5つのソースですが、使い分けが見事だと思いました。筆者にとっては本屋で本のタイトルと作者を見るだけでもリサーチの方向性を決める際の参考になるといいます。インターネットで検索する際のテクニックや注意点、取材のやり方も参考になるので気になる方は一読を。

報告書は読まれない。見られる

リサーチのやり方だけではなく、アウトプットの仕方もライターの参考になります。筆者は「報告書は読まれない。見られる」といいます。web記事は「ながら読み」が多いといわれているので、文字装飾やレイアウトにも気を配る必要があるという考え方はwebライターにとっても重要だと思います。

集めた情報がどのように使われるのかを考え、与えられたテーマに「フィット」しているか、「パワー」のある面白いものかを意識して報告書にする情報を吟味する。正確であることはもちろんクライアントや読者の役に立ち面白いものか。考えさせられます。

また、仕事術の中でメモの取り方にも触れています。オフィシャルな会議の議事録の作り方は取材記事、インタビュー記事を書く際の参考になると思いました。

情報力を高めるために必要なのは「編集する力」

情報に強くなるためには、日ごろから「これは」と思う情報を脳内に貯め、メモなど見える形にして貯めるのも効果的といいます。筆者もEvernoteを使い「面白い」「これは」と思ったことを貯めておくそうです。プロジェクトを複数同時に抱え、どんなに忙しくても2週間空けずに本屋へ行く、デパートは全フロアを歩く、雑誌や新聞は届いた時に見出しだけでよいから目を通す―。第一線で活躍するプロの姿にはため息が出ます。

情報に溺れるのか、活用できるかは情報を「編集する力」があるかどうかに懸かっている。

「その情報が自分にどのような影響を及ぼすのか、どのような感情を引き出すのかを意識する」

情報を編集し、うまく活用するためにまずはメモを取ることと上記のことを意識してみようかと思っています。

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