琉球漆器のお勉強に浦添市美術館に行ってきた。家族連れにもおすすめ

こんにちは。あばさんです。

最近、自分が住んでいる「沖縄」について勉強したいなと思っています。生まれも育ちも沖縄ですが、知らない事はいっぱいあります。いつかちゃんと勉強しよう…。そう思い続けてもう40代。今、動こう。

そんなわけで、「浦添市美術館」に行ってきました。琉球漆器をメインに展示している日本初の漆芸専門の美術館です。前に1、2度行ったことはあるのですが、常設展示はイベントのある時にぱっと見た程度。今回はじっくりと見てきました。

こぢんまりとした美術館は落ち着いてゆっくりと見られますし、バリアフリーで車いすの方やベビーカーが必要な子ども連れにもおすすめできます。アジア、琉球、日本のつながりを感じられる美術館です。カフェとミュージアムショップも併設しています。

沖縄土産にやちむんや琉球ガラスもいいですが、軽く割れない琉球漆器もおすすめできるかなと思いました。ペンダントやピアスもありますよ。

沖縄の伝統工芸品・琉球漆器の歴史

浦添市美術館の展示。琉球漆器の技法の1つ螺鈿についての展示

沖縄にはやちむん(陶器)、芭蕉布や読谷山花織、久米島紬などの織物等いろいろな伝統工芸品があります。うちなーぐちで「ぬいむん」と呼ばれる琉球漆器もその一つ。琉球王国が成立した15世紀頃には琉球で漆器は作られており、中国やアジアとの交易の中で発展しました。1500年代に国王からノロ(祭司者、女性の神官)に下賜された物が現存しているそうです。

その後、薩摩の琉球侵攻を経て、17世紀には琉球王府に貝摺奉行所(かいずりぶぎょうしょ)が設置されていたようです。琉球漆器の生産は王府が管理しました。公的に琉球王家直轄で管理している重要な産物だったことをうかがわせます。

中国、アジア、日本から影響を受けつつ、発展した琉球漆器。蒔絵や沈金、螺鈿(らでん)などの技法を取り入れました。その中でも漆器に凹凸や線を入れる技法、堆錦(ついきん)は琉球漆器独特の手法です。琉球漆器は中国皇帝や将軍・徳川家への献上品として作られるほか、交易品として経済を支えました。

1879年の琉球処分で貝摺奉行所が解体されると、民間工房で土産品や日用品が作られるようになります。沖縄戦後の米軍統治下時代には米軍人向けの土産物や記念品が多く作られました。

近年は需要の減少や後継者不足に悩まされるようになりましたが、1991年には県の無形文化財に指定されました。また、2012年には沖縄県立芸大に漆芸分野が新設されたほか、沖縄県工芸指導所で学んだ若手の作家も出てきていて、土産物にアクセサリーが作られるなど新しい動きも出てきています。

琉球漆器を知ろう!浦添市美術館に行ってきた

モダンな琉球漆器「朱漆トランプ蒔絵煙草セット」。明治から昭和初期のものとみられる

浦添市美術館は1990年、日本初の漆芸専門美術館・沖縄初の公立美術館としてオープンしました。主に琉球漆器を収蔵・展示していて、常設展示は年に3回展示替えが行われています。常設展を見ると、琉球漆器の技法や歴史を学べます。

私が行った2020年7月の展示は「『アジアを紡ぐ展―漆器―』琉球・日本・朝鮮・ベトナム・ラオス・タイ・ミャンマー」がテーマで漆芸を通してアジアの交流やつながりを感じさせる内容でした。漆器のほかに絣とやちむんの展示もあり、人間国宝の平良敏子さんの芭蕉布裂も展示されていました。涼し気で端正、美しくて見られてよかった…と思いましたよ。

常設展示には明治から昭和初期の琉球漆器も展示されていたのですが、モダンでおしゃれな物も。上の写真は明治から昭和初期のものとみられる「朱漆トランプ蒔絵煙草セット」。しゃれているなあと思わずパチリ。

ちなみに、浦添市美術館はフラッシュ禁止ですが、写真撮影OK・個人ブログ掲載OKな作品もあります(商業利用は不可)。

美術館にはカフェ「花うるし」も併設していて、ランチやお茶もできます。

花うるしでは漆器が使われていて、気に入った器があればミュージアムショップで購入できます。次に行くときはランチも食べたい。

ミュージアムショップでは漆器や漆のアクセサリーのほか、お土産にぴったりなクリアファイルやポストカード、沖縄県の歴史や伝統工芸に関する本なども販売しています。

浦添市美術館はファミリーにもおすすめ

館内はバリアフリーでゆっくり座れるベンチもあります。音声ガイドも無料で貸し出してもらえますし、駐車場も無料。障がい者用トイレにおむつ交換台もありますし、受付に声掛けの上、授乳もOKです。

入場料も常設展は大人200円、大学生130円、65歳以上は160円、高校生以下は無料。良心的な設定だと思います。(2020年7月現在)。

休館日は毎週月曜日。開館時間が午前9時30分から午後5時までと短めなので、行かれる際はご注意を(金曜日は午後7時まで開館)。

駐車場や敷地も広く、庭には南国らしくハイビスカスや芭蕉、サガリバナなどが植わっています。緑豊かで美術館の周辺をお散歩するのも楽しいです。次は娘を連れて行こうかと思っています。

浦添市美術館ホームページ。休館日や展示会の案内はこちらをチェック。

浦添市美術館ホームページ

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